「ネット証券と対面の証券会社、結局どっちがいいの?」——前回の記事でSBI証券と楽天証券を比較しましたが、そもそも「ネット証券」と「対面型の証券会社(野村証券、大和証券など)」自体の違いが分からない、という方も多いと思います。今回はFP2級の知識と、ネット証券を10年以上使ってきた経験をもとに、両者を公平に比較してみます。
正直に言うと、対面型を使った経験はありません
先に白状しておくと、私自身は野村証券や大和証券のような対面型の証券会社を使った経験は一度もありません。投資を始めた10年以上前から、ずっとSBI証券一本でやってきました。当時は誰かに相談したわけでもなく、本やネットの情報を読みながら自分で口座を開いて、手探りで積立を始めました。
当時はまだ周りに投資をしている人もおらず、ネットの記事や本を読みながら、見よう見まねで手探りで口座開設をした記憶があります。今思えば不安だらけでしたが、それでも一歩踏み出せたのは大きかったです。
だからこそ、対面型を「使ったことがないのに否定する」のは公平ではないと思っています。FP2級として勉強する過程で、対面型の手数料構造や営業の実態についても学んできたので、その知識も含めて、対面型を選ぶ人の心理や利点もきちんと踏まえた上でこの記事を書いています。
| 比較項目 | ネット証券 | 対面証券 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 購入時手数料 | ◎(無料が基本) | △(1〜3%程度) | 長期では数十万円単位の差になることも |
| 信託報酬(年間コスト) | ◎(0.1%前後) | △(1〜2%台) | 毎年かかるコストなので影響が大きい |
| 専門家への相談 | △(基本は自己判断) | ◎(担当者がつく) | 複雑な相談ほど対面が強い |
| 手軽さ・始めやすさ | ◎(スマホで即日開設) | ○(来店・面談が必要) | すぐ始めたい人はネット向き |
| 相続・大きな資金の相談 | △ | ◎ | 遺産整理や事業承継はネットでは拾いきれない |
| デジタル操作への不安 | △(操作に慣れが必要) | ◎(窓口で完結) | 高齢層・苦手な人には対面が安心 |
| 長期の積立コスト効率 | ◎ | △ | 教育費づくりはここが本質的に重要 |
ネット証券と対面型、手数料の差は想像以上に大きい
まず一番分かりやすい違いは手数料です。ここはぼかさずに具体的に書きます。
- ネット証券(SBI証券・楽天証券など):投資信託の購入手数料は基本的に無料(ノーロード)。NISAのつみたて投資枠で買えるファンドは、信託報酬(運用にかかる年間コスト)も0.1%前後のものが主流です。
- 対面型証券会社:同じような投資信託でも、購入時に1〜3%程度の手数料がかかることがあります。さらに信託報酬自体も1〜2%台と高めに設定されている商品が多いです。
仮に100万円を投資信託で運用するとして、購入時に2%の手数料がかかると、その時点で2万円がスタートからマイナスです。さらに信託報酬の差(0.1%と1.5%)が10年・20年と積み重なると、最終的なリターンに数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。これは「どの銘柄を選ぶか」より、よほど運用結果に影響する要素です。

なぜ対面型はコストが高くなるのか
これは対面型が悪いという話ではなく、構造上そうなる理由があります。対面型には店舗や営業担当者を抱えるコストがあり、それを商品の手数料でまかなう必要があります。逆に言えば、その手数料の中に「人件費=相談できる対価」が含まれている、ということです。
FPの勉強をしていると、いわゆる「回転売買」と呼ばれる、頻繁に商品を売買させて手数料を稼ぐ営業スタイルの存在も学びます。すべての担当者がそうではありませんが、営業成績のノルマがある以上、必ずしも顧客本位とは言えない提案がされるリスクは構造的に存在します。これは対面型を検討する際に知っておいた方がいい事実だと思います。
対面型を選ぶ人の心理
それでも対面型を選ぶ人がいるのは、単に「ネットが使えないから」という理由だけではありません。調べてみると、いくつかの心理的な背景がありました。
- 自分で判断するのが怖い:投資の知識が乏しいと感じている人ほど、「プロに決めてもらいたい」という心理が働きます。
- 失敗した時に相談できる安心感:損をした時に窓口があるという事実そのものが、心理的な安全網になります。たとえ結果が変わらなくても、「誰かと話せる」ことの価値は軽視できません。
- 既存の取引関係からの延長:退職金の受け取り窓口や、すでに付き合いのある銀行・証券会社の延長で口座を持つケースも多いです。
- 相続や大きな資金の相談ニーズ:遺産整理やまとまった資金の運用相談は、今でも対面型が強い領域です。
対面型のきちんとした利点
ここは公平に、しっかり触れておきたいポイントです。対面型には、ネット証券にはない明確な強みがあります。
- 専門家に直接相談できる:複雑な相続対策、事業承継、まとまった資金の出口戦略など、ネット証券では拾いきれない相談に対応してもらえます。これは手数料を払う価値が十分にある領域です。
- 「人に説明してもらう」安心感:投資初心者にとって、画面の情報を自分で読み解くより、口頭で説明を受ける方が圧倒的に理解しやすいケースは確かにあります。最初の一歩のハードルを下げてくれる存在は重要です。
- 能動的に動かなくても提案が来る:自分から情報を取りに行くのが苦手な人にとって、向こうから連絡が来るスタイルは心理的に楽です。「ほったらかしで無関心」よりは、提案があることでお金について考えるきっかけになる、という側面もあります。
- デジタル操作への不安がない:スマホ・PCでの操作に慣れていない層にとって、窓口での手続きは大きな安心材料になります。これはネット証券側がどうしても拾いきれない需要です。
教育費づくりという目的で考えると
今回のテーマである「教育費づくり」という文脈で考えると、長期間・低コストでコツコツ積み立てることが何より重要です。先ほどの手数料の差は、10年・15年という時間軸では無視できない金額になります。中学・高校・大学までの教育費というゴールが決まっている資金は、コストの差がそのまま「使える金額の差」に直結します。その点では、基本的にはネット証券の方が向いていると感じています。
一方で、「投資がまったく分からない」「まずは人に相談しながら始めたい」という方であれば、最初だけ対面で相談してお金の全体像を整理し、慣れてきたらネット証券に移行する、という段階的なやり方も十分に合理的だと思います。大事なのは「対面かネットか」で終わらせず、自分がどちらなら継続できるかで判断することです。
もし今、投資をまったく知らない人に何か一つだけアドバイスするなら、「完璧に理解してから始める必要はない」と伝えたいです。小さな金額からでも始めてしまえば、知識は後からいくらでも追いつきます。
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まとめ
- ネット証券は手数料が安く、長期の積立投資に向いている
- 対面型は購入手数料・信託報酬ともに割高な傾向があり、その分「相談できる対価」が含まれている
- 対面型を選ぶ人の心理は「判断が怖い」「相談相手がいる安心」など様々で、決して非合理ではない
- 教育費づくりという目的なら、コスト面でネット証券が基本的に有利
- 知識がなければ最初だけ対面、慣れたらネットへ移行する段階的な選択肢もある
次回は「【徹底解説】SBI証券 vs 楽天証券、教育費づくりに本当に向いているのはどっち?」を、手数料・ポイント還元・取扱商品の面からさらに掘り下げて比較していきます。



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